ルヴァンカップ2回戦、FC岐阜戦。
前半に先制を許した横浜FCは、後半に2点を奪って逆転しました。
勝ち抜いたことは、まず素直に喜びたいところです。
試合後の須藤大輔監督の言葉を追っていくと、この試合には勝利とは別に、もう一つ気になるものが残りました。
「俺らできるでしょう」
ハーフタイム、須藤監督が選手たちに伝えた言葉です。
そして後半、横浜FCは実際にやりました。
だからこそ監督が試合後に伝えた、もう一つの言葉が気になります。
「これを前半からやりましょう」
できなかった試合ではありません。
できることを、後半には見せた試合です。
ならば次に見たいものも、少しずつ変わってくるのだと思います。
前半は「まったくできていなかった」
FC岐阜戦を迎える前、須藤監督は富山戦を振り返りながら、横浜FCが目指すサッカーについて改めて話していました。
攻撃をしたいからこそ、守備を短くしっかりやる。
攻撃することで相手を疲弊させ、守備をする時間そのものを減らしていく。
富山戦では3-1とリードしながら、それを90分続けることができませんでした。
須藤監督が求めたのは、3-1で試合を閉じることではありません。
「4-1にしていく作業」でした。
その確認をしたうえで迎えた岐阜戦。
ところが前半について、須藤監督はかなりはっきりと振り返っています。
「まったくできていなかった」
攻撃をしたいのに動きがない。
攻撃をしたいのに守備で激しく行けない。
その結果、攻撃する時間を作ることもできず、すべてが後手に回ってしまった。
相手がどうこうではない。
これは試合前にも須藤監督が話していたことです。
自分たちがやろうとしていることを、自分たちから手放さない。
富山戦で確認したばかりのものを、前半の横浜FCは出すことができませんでした。
「俺らできるでしょう」
そこで須藤監督は、ハーフタイムに檄を飛ばします。
「もっとやりましょう」
そして、
「俺らできるでしょう」
この言葉を聞いて、以前の「できるのにやらない」という言葉を思い出しました。
いわき戦後、須藤監督が問題にしていたのは、できないことではありませんでした。
できるのに、それを出さない。
一度できたことを、次でも同じようにできるとは限らない。
だから「再現性」という言葉が気になりました。
今回も前半だけを見れば、似た話だったのかもしれません。
ところが岐阜戦には、その続きがありました。
ハーフタイムで「できるでしょう」と言われた選手たちは、後半に変わりました。
須藤監督はウイングバックに、2、3メートルで動きを終わらせるのではなく、10メートル、15メートルと動くことを求めました。
守備でも勇気を持って相手からボールを奪いにいく。
そして横浜FCは後半に2点を取り、試合をひっくり返しました。
「できるでしょう」
そう言われて、本当にできた。
もちろん、それですべて解決したわけではありません。
それでも「できるのにやらない」で終わった試合とは、少し景色が違って見えます。
90分で決着をつける
もう一つ、富山戦からつながって見えたものがあります。
同点に追いついたあとです。
須藤監督は細井響を投入しました。
その意図について、こう話しています。
「今日はもう点を取りに行きたい、90で決着つけたい」
富山戦後に聞いた「3-1でクローズしていくのではなく、4-1にしていく」という言葉と重なります。
点を取ったら守る。
リードしたら試合を閉じる。
そういう発想だけではなく、もう一点を取りにいくことで相手を自分たちのゴールから遠ざける。
須藤監督が話していた「攻撃をして守備の回数を少なくする」という考え方です。
富山戦では、それを最後まで続けられず3-3になりました。
岐阜戦では違いました。
1-1になったところで満足せず、90分で決着をつけるために、さらに攻撃へ向かう選択をした。
そして勝ち越しました。
富山戦で言葉になったものが、すぐ次の試合で一つ形になった。
ここは今回の勝利で、素直に喜びたいところです。
「これを前半から」
だからこそ、試合後のこの言葉が残ります。
「これを前半からやりましょう」
後半にできたのです。
だったら次は、それを最初からやればいい。
言葉にしてしまえば簡単です。
でも、おそらく須藤監督がずっと求めているものは、そこにあります。
一度できた。
次もできた。
相手が変わってもできた。
メンバーが変わってもできた。
そして、それを90分続けられた。
そうやって「できる」を積み重ねていくことで、ようやくチームの当たり前になっていくのだと思います。
今回、須藤監督は足をつった選手が何人かいたことにも触れました。
そして話は試合からトレーニングへ戻っていきます。
公式戦で90分立ち続けるためには、トレーニングから100%でやらなければならない。
デュエル、動き続けること、動き直すこと、連動すること。
試合の日だけ頑張ればいいわけではない。
「これを前半から」のさらに手前には、普段のトレーニングがある。
ここまで来ると、今回の岐阜戦だけの話ではなくなります。
次は浦和戦
前半はできませんでした。
ハーフタイムに「俺らできるでしょう」と言われました。
そして後半、選手たちはやりました。
2点を取り、逆転して、ルヴァンカップを勝ち抜きました。
できることは、もう分かっています。
それを実際に見せることもできました。
ならば次に見たいのは、やはり「これを前半から」です。
次に待っているのは、リーグ戦の八戸戦。
岐阜戦の後半にできたことを、今度は試合の最初から出せるのか。
そして、それをまた次の試合でも続けられるのか。
一度できたことを、次でもやる。
その繰り返しが「再現性」になり、やがて横浜FCの当たり前になっていくのだと思います。
「俺らできるでしょう」
岐阜戦の後半で、その答えの一つは見せてもらいました。
だから八戸戦で見たいのは、その言葉をハーフタイムに聞いてからではありません。
キックオフの瞬間から、横浜FCが自分たちで始められるか。
また一つ、次の試合で見るところができました。
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