一本の太い線になりつつある

スタジアムへ向かって歩く横浜FCの選手たちの後ろ姿 横浜FCノート

プレーオフ1回戦の大宮戦を終え、横浜FCはレノファ山口との最終戦に向かいます。

今回の須藤監督のコメントを読んでいて印象に残ったのは、「勝ったから次へ」ではなく、「勝ったからこそ、まだ足りない部分を見る」という姿勢でした。

90分勝ちで4連勝。

結果だけ見れば十分に良い流れです。

それでも監督の目線は、勝利そのものよりも、その先に向いているように感じました。

最後に判断を変える

今回の練習テーマとして語られたのは、サイドからどう侵入するか。

ただ、その説明の中で繰り返されていたのは技術ではなく判断でした。

「CBから入れるのか、やめるのか」

「下げようとしているけど相手が食いついたら前に出す」

そして監督は「最後に判断を変えること」を求めたと言います。

横浜FCノートでここずっと追いかけてきた言葉に、「状況認知」があります。

ボールを持つことでも、走ることでもなく、今何が起きているのかを見て判断すること。

そこを改めて認識させられる言葉でした。

理想と違う数字

今回のコメントで特に興味深かったのは、「数字としては理想とは違う形で勝っている」という言葉でした。

ボール保持率やパス数。

一般的には良い数字ほど良いサッカーに見えます。

しかし監督は、その数字を追いかける話をしているわけではありませんでした。

仙台戦の例として、無理に攻め続けるのではなく、時間や点差を認知し、相手に持たせることで逆に焦らせる。

そんな試合運びを選手たちが表現できたことを評価しています。

ここで見えてくるのは、「ボールを持つこと」が目的ではなく、「今何をするべきか」を選ぶことが目的だという考え方です。

一本の太い線

記者から「大人の戦い方もできるようになってきた?」と聞かれた場面も印象的でした。

須藤監督は、攻撃に針を振り、守備に少し寄せ、また攻撃へ振り戻す。

そんな揺れを繰り返してきたと語っています。

そして今は、

「揺れ幅が少なくなってきて、一本の太い線になりつつある」

と言いました。

この表現は面白いです。

完成したという話ではありません。

むしろ、まだ太くしなければいけない。

まだ色を付けなければいけない。

そう続いています。

監督が見ているのは目の前の結果ではなく、チームの輪郭そのものなのかもしれません。

残り4日

今回のコメントには「トレーニングはあと4日しかない」という言葉もありました。(6月2日練習後時点)

もうプレーオフの終盤です。

けれど監督は、残り4日でも成長してほしいと言います。

一人が成長し、グループが成長し、チームが成長し、クラブの成長につながる。

そして、「終わり良ければすべて良しではない」とも語りました。

勝てば終わりではない。

勝っても学び続ける。

ここにも須藤監督らしい視点が見えます。

半年間を表現する試合

山口について監督は、「ボールを大事にするチーム」という印象を語りました。

そしてテーマとして挙げたのは、

  • どちらが長くボールを握るか
  • 相手に握らせないこと
  • ショートカウンター

でした。

今回のコメント全体を通して感じたのは、山口対策と言うよりも、半年かけて積み上げてきたものをどう表現するかという話だったように思います。

「戦う」「走る」「切り替える」大前提として繰り返し出てくる言葉。

その上に、状況認知。

最後に判断を変えること。

プレーオフ決勝は、相手との戦いでもありますが、この半年間で作ってきた横浜FCのサッカーをどこまで表現できるかを見る試合と言えると思います。

この半年間の総決算。

一本の太い線が遺憾なく発揮されることに、期待が収まりません。

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